うつ病を中心としたこころの健康障害をもつ労働者の職場復帰および職場適応支援方策に関する研究(2004年度)
主任研究者:島悟 分担研究者:荒井稔、秋山剛、廣尚典、小泉典章、尾崎紀夫
研究目的:
「事業場における労働者の心の健康づくりのための指針(2000年旧労働省)」にのっとり、うつ病などのメンタルヘルス不全者の職場復帰・職場適応の促進のための重層的な支援システムの開発を目標とする。
研究方法:
上記の目的を踏まえ、「事業場における労働者の心の健康づくりのための指針」に即して、1、セルフケア、2、ラインによるケア、3、事業場内産業保健スタッフによるケア、4、事業場外資源によるケアに関して検討を行う。
結果と考察:
1.復職に関する精神科医調査を行い、復職支援における主治医の果たす役割には非常に大きいものがあるものの、診断書における病名記載方法や復職判定等において温度差のあることが明らかになった(島 悟)。2.当事者を対象とした調査を行い、「再発」、「復職不成功」などが、大きな不安要因となっていることが明らかにされた(島 悟、荒井 稔)。3.職場不適応における復職支援および残遺症状(後遺症状)における復職支援に関してマニュアルを作成した(島 悟)。4.うつ病における復職支援について、うつ病急性期を過ぎた時点で職場復帰を目指した治療上の配慮、職場復帰システム、復職判定ツールの検討を行った(尾崎 紀夫)。5.不安障害について検討し、気質は対人関係に関するストレスに非常に大きな影響力を持つことが明らかにされた(秋山 剛)。6.アルコール依存症例の職場復帰支援マニュアルの作成を行った(廣 尚典)。7.公的機関における復職プログラムをまとめた(小泉 典章)。8.総合病院における職場復帰援助プログラムについて検討し、集団認知療法の前後で、抑うつ傾向、考え方のクセへの認識、問題解決スタイルが改善を示した(秋山 剛)。9.職場復帰後の転帰について検討したが、「総病欠期間」が平均就労継続期間に影響を及ぼした(秋山 剛)。10.復職判定のツール(一般と機能評価)の開発・検証を行った(秋山 剛)。
結論:
うつ病等の職場復帰支援に関わる調査研究を行い、モデル事業を展開して、復帰支援を円滑に行えるようなツール・マニュアルの開発を行った。得られた知見は、労働衛生行政に寄与するところが大きいと考えられる。
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うつ病を中心としたこころの健康障害をもつ労働者の職場復帰および職場適応支援方策に関する研究(2004年度)
[総合]
研究目的:
「事業場における労働者の心の健康づくりのための指針(2000年旧労働省)」にのっとり、うつ病などのメンタルヘルス不全者の職場復帰・職場適応の促進のための重層的な支援システムの開発を目標とする。
研究方法:
上記の目的を踏まえ、「事業場における労働者の心の健康づくりのための指針」に即して、セルフケア、ラインによるケア、事業場内産業保健スタッフによるケア、4、事業場外資源によるケアに関して検討を行う。
結果と考察:
文献研究では、うつ病の職場復帰は必ずしも良好とは言えない。休業者の実態調査では、事業場において復職に関して種々の困難性があり、それぞれの事業場において数々の取り組みがなされているものの、その内容にはばらつきが大きいことが明らかになった。 精神科医を対象とした調査では、復職支援における主治医の果たす役割には非常に大きいものがあるものの、診断書における病名記載方法や復職判定等において温度差のあることが改めて明らかになった。当事者調査の結果からは、休職中には労働者が様々な悩みを高頻度に抱いていることが明らかにされた。事業場内資源による休職中の労働者ケアの重要性が再認識された。 職場復帰の転帰に関する研究では1年後に就業継続は約2/3であり、転帰は必ずしも良好ではないことが明らかになった。復帰プログラムを導入した研究では復職1年後の就労継続率は82%であり、プログラムの有効性が示唆されている。復職後の転帰に影響する要因を検討したが、うつ病の労働者の職場復帰にあたっては、当該労働者の業務内容を吟味し、必要に応じて軽減措置を講じることが重要な支援となることが確認された。 日本障害者雇用促進協会の事業は積極的に復職プログラムの中に位置づけられると考えられた。また県職員を対象とした復帰支援モデル、総合病院における復帰支援モデル、事業場における復帰支援モデルの検討が行われた。 復職判定のツール3種類を開発し、疾患・病態別の復職支援のマニュアル作成を行った。
結論:
3年間の研究において様々な観点から精神障害にともなう疾病休業における復職支援の現状やあり方に関して検討を行った。この研究成果が、心の病を持つ労働者の職場復帰支援を中心とする労働衛生行政に寄与しえると考える。
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うつ病を中心としたこころの健康障害をもつ労働者の職場復帰および職場適応支援方策に関する研究(2003年度)
主任研究者:島悟
分担研究者:倉林るみい,秋山剛,荒井稔,廣尚典,毛利一平
研究目的:
「事業場における労働者の心の健康づくりのための指針(2000年旧労働省)」にのっとり、うつ病などのメンタルヘルス不全者の職場復帰・職場適応の促進のための重層的な支援システムの開発を目標とする。事業場においては、事業場規模など各事業場の特性に合わせて柔軟に取り組める支援ツールの開発を目指す。また、事業場外においては、医療機関、産業保健センター、EAPなど様々な支援サービス資源について、よりよい支援システムの検討を行い、職場と各資源との連携についての提言を行う。
研究方法:
上記の目的を踏まえ、「事業場における労働者の心の健康づくりのための指針」に即して、以下のように研究計画を位置づける。1、セルフケア職域ですでにうつ病などのメンタルヘルス不全を発症した労働者のセルフケアをはかり、援助していくためには、まず、そうした労働者の実態把握が必要である。質問紙調査・面接調査・事例研究などの方法により、以下の2点についての研究を行う。(1) 治療途上労働者・復職者における職業性ストレスの把握(2)うつ病など有病者のリハビリテーション過程の研究2、ラインによるケア および 3、事業場内産業保健スタッフによるケア事業場内における職場復帰支援および職場適応促進システムの現状と問題点の把握を行い、最終的には職場でのチェックリストなど支援ツールの開発を含めた支援システムの提唱をめざす。まずは、(1)管理職、(2)人事職制、(3)産業保健スタッフのそれぞれにおける職場復帰、職場適応の支援のありかたや、相互の連携、職場復帰に関する教育の現状をヒアリング調査や質問紙調査を通して把握する。4、事業場外資源によるケア事業場外における職場復帰支援および職場適応促進システムの現状把握と、よりよいシステムの提唱が目標である。うつ病等に罹患した労働者の復職や職場適応に関しては、医療機関との連携が重要と考えられる。ことに産業医のいない中小規模事業場において、どのような連携をはかり、どのように外部資源を利用していくかについて、以下の研究課題を通してモデルを提唱する。(1)医療機関における支援のありかたの研究1)医療機関における職場復帰援助プログラムの開発2)リハビリ過程における医療機関と職場との連携(2)産業保健推進センター、EAPなど様々な外部資源・通信手段による職場復帰支援・職場適応システムの開発
結果と考察:
結果1.「気質が職場ストレスに及ぼす影響」、「職場復帰評価表の有用性」、「職場復帰援助プログラムの国際的な有用性」(分担研究者 秋山 剛):気質は、職場ストレスに大きな影響を及ぼす。特に、対人関係に関連する職場ストレスについては、性別、年令、職位など、従来研究されてきた要因をあわせたものよりも大きな影響を及ぼす。気質によって、職場ストレスの受け方が大きく異なる。スタッフ評価表は、十分な内的一貫性を示した。評価者間で、相関は有意であったが、一部判定差がみられた。参加者の自己評価は、スタッフの評価とあまり相関せず、スタッフの評価より高い傾向がある。職場復帰援助プログラムに類似したプログラムは、欧米には存在しない。2.うつ病の職場復帰および職場再適応に影響を及ぼす因子に関する検討(分担研究者 廣 尚典):140事例を対象とした検討により、次の結果が得られた。全体の70%以上で、職場因子が少なからず発症に関与していた。発症に関与した職場因子は、人間関係、仕事内容の困難、周囲の支援の不足、仕事の過量、長時間労働の順に高率であった。復職後の経過については、「順調に職場適応している」例が57%であった。「順調に職場適応している」例では、「職場で適切な業務面の配慮がなされた」、「職場異動がなされた」、「充分に病態が改善していた」、「残業時間の制限がなされた」などが、その経過に寄与した因子として、特に重要視された。「職場適応が難航している」または「再び休業になった」例で、「本人の仕事に関する考え方・姿勢が変わらなかった」、「充分に病態が回復していなかった」、「病態が軽症でなかった」、家族の充分な理解が得られなかった」が、その経過に影響を及ぼした因子として重要視された。3.職域におけるメンタルヘルス上の問題点の概論と自殺予防対策(分担研究者 荒井 稔):心身の健康の維持・増進を試みる一方で、メンタルヘルス不全者数は就労者全体のおよそ1パーセントであり、関係者にとってその経済的損失、心理的負担は計り知れず、適正な対応が必要である。メンタルヘルス不全者の発症の要因の約三分の二は、職場での人間関係の問題、時間外労働が過剰になること、人的支持組織の機能の低下などに関連しており、それらは作業関連障害の一部と位置づけることが適当である。4.精神障害による疾病休業に関する事業場調査(主任研究者 島 悟):事業場においては、とりわけ精神障害による疾病休業からの復職時における産業医の機能、および主治医との連携において大きな問題のあることが示された。復職のシステムに関して、一定の書式を備えた事業場は少ないが、多くの事業場において、復職前産業医面談など種々の試みが行われている。しかしながら試し出社(リハビリ出社,ならし出社)制度はなお少数であり、その内容にもばらつきが大きかった。我が国における労働者人口の大部分を占める中小規模事業場における精神障害による疾病休業率は0.79%であり、平均休業月数は5.2カ月であった。このデータを用いると、我が国の労働者における精神障害による1カ月以上の疾病休業総人口推定値は47万4000人であり、疾病休業総月数推定値は246万4800月となる。また逸失利益(賃金ベース)推定値は9468億9400万円である。5.労働者におけるうつ病の発症・再発モデルの検討(主任研究者 島 悟):抑うつ状態の評価尺度であるCESDは女性・高齢者で高得点(心の健康が不良)であり、これは従前の報告と一致する所見である。地域ブロックにおけるCESDと失業率には正の相関が認められたが、昨今のうつ病の増加における経済不況の影響が示唆される。被雇用者では中小企業に働く労働者と無職の者でCESDが高く、心の健康の不良であることが示された。寮などで生活する単身生活者において心の健康が不良である。睡眠時間とCESDの関係から、6時間以上の睡眠の確保が望ましいと考えられた。性別、年齢層、就業の有無、世帯構造の違いによる多母集団の同時解析を行い、これらの属性の違いによるストレス関連因子から抑うつに与える影響の差異を検討した結果、母集団による違いが認められた。考察1.「気質が職場ストレスに及ぼす影響」、「職場復帰評価表の有用性」、「職場復帰援助プログラムの国際的な有用性」(分担研究者 秋山 剛):気分障害や統合失調症の病前性格とされる気質が、職場ストレス特に対人関係に関するストレスの受け方に非常に大きな影響を及ぼすこと、気質によってストレスの受け方に大きな差があることが明らかにされた。これは、気質によって、業務起因性精神疾患の発生しやすさに差があること、産業精神保健において、気質を理解しなければ有効な対応が行えないことを意味する。スタッフ評価表の評価者間の差については、さらに検討を進める必要がある。参加者の自己評価は客観的評価より高く、職場復帰を目指す参加者の、自己認識への援助を行う必要がある。職場復帰援助プログラムに類似したプログラムは、欧米諸国にほとんどみられない。カウンセリングとは異なった、生活、作業的な側面への援助方法として、職場復帰援助プログラムが国際的に有用性を持つ可能性がある。2.うつ病の職場復帰および職場再適応に影響を及ぼす因子に関する検討(分担研究者 廣 尚典):うつ病圏の労働者の職場復帰にあたっては、当該労働者の業務内容を吟味し、必要に応じて軽減措置を講じたり、場合によっては職場異動を検討したりすることが、本人への重要な支援となることが確認された。一方で、本人の個人的要因や家族の問題など、職場以外の因子も職場再適応を阻害する例が少なくないことも明らかになった。これらに対して職場がなしうる働きかけには限界があり、職場と地域の医療機関、支援機関との連携が非常に重要であると考えられる。3.職域におけるメンタルヘルス上の問題点の概論と自殺予防対策(分担研究者 荒井 稔):現在の職域においては、精神的健康を維持・増進する対策をこうじることが、就業者本人および家族、事業主などの関係者にとって経済的な活性化、日本全体の創造性の向上のためにも急務である。適正な復職判定が行われるためには、体制整備とともに、在職精神障害者のリハビリテーション活動が専門家によって推進され、全国的な展開がなされる必要がある。現在、試行的に行われている「リワークプログラム」の積極的な活用と全国展開のための人的資源および経済的基盤の整備が必須である。4.精神障害による疾病休業に関する事業場調査(主任研究者 島 悟):事業場において復職に関して種々の困難性があり、それぞれの事業場において数々の取り組みがなされているものの、その内容にはばらつきが大きい。また精神障害による疾病休業による社会的損失は非常に大であり、事業場として、また国として、この問題に対する一層の取り組みの強化が緊急の課題であると考えられる。5.労働者におけるうつ病の発症・再発モデルの検討(主任研究者 島 悟):性別、年齢層、就業の有無、世帯構造の違いによってうつ病の発症・再発モデルが異なり、うつ病発症・再発予防対策を構築する上で、母集団の特性に注目した取り組みの必要性が示唆された。
結論:
平成15年度は、大規模事業場調査による復職をめぐる問題の検討、うつ病者の復職に関する調査、復職に関する性格要因の検討、復職の可否の評価に用いる評価尺度の検討、うつ病発症・再発モデルの検討、復職過程で問題となる自殺予防観点からの検討などを行ったが、復職をめぐる問題がさらに明らかになった。またこれらの成果物は平成16年度に予定されているマニュアル作成のための基礎的材料を提供するものである。平成16年度は、当事者調査、主治医調査、産業保健推進センター・精神保健福祉センター・地域産業保健センター・ハローワークなどの社会的資源に関する調査などを行うとともに、各種病態における復職・事業場タイプ別の復職等に関してマニュアルを作成し、その実用性検討を行って、最終的に事業場等で使用可能なマニュアルを作成する予定である。
http://mhlw-grants.niph.go.jp/niph/search/Download.do?nendo=2003&jigyoId=000272&bunkenNo=200301156A&pdf=200301156A0001.pdf
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うつ病を中心としたこころの健康障害をもつ労働者の職場復帰および職場適応支援方策に関する研究(2002年度)
主任研究者:島悟 分担研究者:倉林るみい,秋山剛,荒井稔,廣尚典,毛利一平
研究目的:
「事業場における労働者の心の健康づくりのための指針(2000年旧労働省)」にのっとり、うつ病などのメンタルヘルス不全者の職場復帰・職場適応の促進のための重層的な支援システムの開発を目標とする。事業場においては、事業場規模など各事業場の特性に合わせて柔軟に取り組める支援ツールの開発を目指す。また、事業場外においては、医療機関、産業保健センター、EAPなど様々な支援サービス資源について、よりよい支援システムの検討を行い、職場と各資源との連携についての提言を行う。
研究方法:
上記の目的を踏まえ、「事業場における労働者の心の健康づくりのための指針」に即して、以下のように研究計画を位置づける。1、セルフケア職域ですでにうつ病などのメンタルヘルス不全を発症した労働者のセルフケアをはかり、援助していくためには、まず、そうした労働者の実態把握が必要である。質問紙調査・面接調査・事例研究などの方法により、以下の2点についての研究を行う。(1) 治療途上労働者・復職者における職業性ストレスの把握(2)うつ病など有病者のリハビリテーション過程の研究2、ラインによるケア および 3、事業場内産業保健スタッフによるケア事業場内における職場復帰支援および職場適応促進システムの現状と問題点の把握を行い、最終的には職場でのチェックリストなど支援ツールの開発を含めた支援システムの提唱をめざす。まずは、(1)管理職、(2)人事職制、(3)産業保健スタッフのそれぞれにおける職場復帰、職場適応の支援のありかたや、相互の連携、職場復帰に関する教育の現状をヒアリング調査や質問紙調査を通して把握する。4、事業場外資源によるケア事業場外における職場復帰支援および職場適応促進システムの現状把握と、よりよいシステムの提唱が目標である。うつ病等に罹患した労働者の復職や職場適応に関しては、医療機関との連携が重要と考えられる。ことに産業医のいない中小規模事業場において、どのような連携をはかり、どのように外部資源を利用していくかについて、以下の研究課題を通してモデルを提唱する。(1)医療機関における支援のありかたの研究1)医療機関における職場復帰援助プログラムの開発2)リハビリ過程における医療機関と職場との連携(2)産業保健推進センター、EAPなど様々な外部資源・通信手段による職場復帰支援・職場適応システムの開発
結果と考察:
1、文献調査文献調査により、うつ病の職場復帰に関する研究は内外とも極めて限られていることが明らかになった。その中で、企業におけるうつ病の予後調査では21.9%が退職し、その中で36.4%は死亡退職であり、その多くは自殺であったという報告がある。復職後1年後の適応は56%という報告もあり、復職の成否に関わる要因としては、家族の支援、性格特性、病前機能水準などが挙げられている。2、精神障害による休業者調査精神障害により疾病休業を余儀なくされた労働者の実態を明らかにし、復職の成否にかかわる諸要因を検討した。調査対象は、10の企業において過去3年間に精神障害により1か月間以上疾病休業した労働者108例である。結果は、対象者の大多数がうつ病であり、年齢層では30代が最も多いが、各年齢層に分布している。発症要因としては、業務外の要因に比べて業務上の要因が多く、その内容としては業務負荷、職場の対人関係、異動、昇進などとなっている。職場復帰において、良好な転帰は概ね2/3、不良な転帰は1/3であり、職場復帰支援体制を強化する必要性が示唆された。職場復帰転帰不良に寄与する要因は以下の通りである。すなわち、低い発症年齢、未婚・離別・死別、気分障害位以外の精神障害、非職場発症要因である。3、産業保健スタッフを対象とした復職に関する調査大企業の産業保健スタッフを対象としたヒアリング調査については、文献研究などから得られた復職過程の問題点のうち、「復職診断書の様式」、「主治医との連携」、「いわゆるリハビリ出勤」の3点を中心に聞き取りを行った。その結果、復職のプロセスは概ね共通していたが、上記3点に関しては、企業ごとにかなり多様性が見られた。いずれの対応方法をとるにせよ、対応の担い手として、事業所内に精神保健に精通した健康管理スタッフの存在が重要と考えられた。そうした人材を配置できない企業における復職促進方策が今後の課題である。4、アルコール依存症の労働者の職場復帰および職場復帰支援に関する検討産業医、看護職等に対する質問紙調査と産業医、精神科医および心理職に対して聴き取り調査を施行した。その結果、報告された事例は、計50例であったが、そのうち職場再適応をしている事例は、45.1%であった。アルコール専門治療機関の入院患者に多くみられるような重症例は少なく、プレアルコホリックとも呼ばれているような軽症例が多く含まれていると考えられた。したがって、アルコール依存症を早期に発見し適切な対応を行えば、回復率の向上が期待できよう。治療状況については、アルコール依存症の専門科以外で対応された例や未治療例が多かった。うつ病の併存は、36%にみられた。復職時の本人への注意、指導では、断酒、通院の指導に次いで、自助グループへの参加が多く、聞き取り調査でもその重要性が強調された。再適応のポイントは、家族の協力と職場の受け入れ状況がよいことが特に多くあげられた。5、うつ病等のハイリスクグループとしての広汎性発達障害者等の就労支援に関する研究学習障害児(者)の就労後の転帰に関する疫学的追跡調査は国内では見当たらない。事例研究は比較的豊富だといえるが、学術的論文として存在するものは非常に限られているようである。海外の論文に関しては、教育過程における転帰を追跡したものは多いが、就労後の転帰となると情報は極めて限られる。注意欠陥多動障害については、非常に新しい概念であるため、内外を問わず就労後の転帰について検討した論文は極めて少ない。検索で得られた3つの文献では、いずれも対照群に比べると予後の悪いことが示唆されている。自閉症(高機能自閉症、アスペルガー症候群を含む)については、古くから認知されてきた障害であるためか、日本においても比較的大規模な集団での追跡調査の結果を報告した文献が散見される。一般の健常者に比べると社会的な予後が悪いことを指摘しているにとどまっている場合が多く、集団を対象として、就労前のどのような条件が予後をよいものにし、就労後のどのような介入が、より安定的な就労に結びつくのかといった検討は、皆無といってよい。6、医療機関における職場復帰プログラムの試行医療機関において新たに職場復帰プログラムを作成し、調査研究を行った。対象は、NTT東日本関東病院精神神経科の職場復帰援助プログラムを終了し、復職判定を申請した在職精神障害者44名である。就労継続分析の対象は、このうち、復職が認められた28名である。職場復帰援助プログラムは、精神科外来作業療法として行われ、「生活リズムの維持」、「作業能力」、「対人関係」への援助を行い、長期間休務している在職精神障害者の職場復帰準備性を改善し、職場復帰に伴う精神疾患の再発を防ぐことを目的としている。職場復帰支援プログラムからの脱落(休務または退職)したものは、5例見られた。脱落は3例が復職後3ヶ月以内、1例が6ヶ月以内、1例が1年以内に生じていた。復職後1年を経過した時点での就労継続率は82%であり、復職後平均就労継続期間は3.2〜4.5年と推定された。就労予後に有意に関係した要因は、当該企業であった。7、在職精神障害者リハビリテーションの意義と日本障害者雇用促進協会における試行事業について平成14年度から、日本障害者雇用促進協会障害者職業総合センター職業センターにおいて、在職精神障害者に対する職場復帰支援プログラムが行われているが、この事業の対象者は復職の意思を有し、精神保健福祉手帳を所持しているか、長期に渡り職業生活に相当の制限を受けており、復職にあたって、事業場の人事・労務担当者及び産業医が、職業センターの専門的援助を受けることが適当と判断している者である。最長24週間を標準として、職業センターにおいて基礎評価を実施して、さらに個別カリキュラムに応じたプログラムを実施して、復職先事業場における職務及び職場への適応に関する支援を行っている。
結論:
3年間の研究の初年度に当たって、うつ病を中心としたこころの健康障害をもつ労働者の職場復帰および職場適応に関する諸問題を、文献研究、実態調査、復職プログラムの試行など各方向から検討を行った。次年度以降は、最終的な提言・プログラム作成に向けて、研究を収斂させていく予定である。
http://mhlw-grants.niph.go.jp/niph/search/Download.do?nendo=2002&jigyoId=000237&bunkenNo=200201407A&pdf=200201407A0001.pdf
http://mhlw-grants.niph.go.jp/niph/search/Download.do?nendo=2002&jigyoId=000237&bunkenNo=200201407A&pdf=200201407A0002.pdf
http://mhlw-grants.niph.go.jp/niph/search/Download.do?nendo=2002&jigyoId=000237&bunkenNo=200201407A&pdf=200201407A0003.pdf
2007年04月12日
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